総合モール 「楽天」追撃に姿勢割れる
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「楽天を追い抜くか、楽天と棲み分けるか」。総合仮想店舗街(以下・総合モール)
が難しい舵取りを迫られている。「打倒楽天」の旗印を明確に打ち出すのは三井物
産が中心となって運営する「キュリオシティ」。一方、総合モールを掲げながらも、
楽天との棲み分けを模索するのは今年創業76年目になる広告代理店の老舗、朝日広
告社が運営する「アット・モール」。両社の動きを通じ、加熱する総合モール争い
の現状を探った。
楽天市場( http://www.rakuten.co.jp/ )は、現在最も認知度が高いとされる総合
モール。4月19日に店頭市場に株式公開することが決まっており、関係者の間では
「このままでは総合モール分野で楽天の一人勝ちになってしまう」との焦りが日増
しに強くなっている。
検索ポータルがヤフーの一人勝ちであることは周知の通り。検索ポータルで一朝
一夕にヤフーを打ち負かせると考える人はそう多くはないだろう。しかし、総合モ
ールの分野では「今から追い込めば、楽天市場と同様の成功を収めることができる」
との考えは根強い。
海のものとも山のものともわからなかった検索ポータルとは違い、物販は収益構
造が分かりやすく、大企業の資本が動きやすいという要因もある。
「打倒目指す」−−キュリオシテイ
総合商社の三井物産は、3月に総合モール「キュリオシティ
( http://www.curio-city.com/ )」を資本金4億9,000万円、社員数約20人で独立法
人化。社長に就任した西澤泰夫氏は「物産の総合力と独立法人化したことによる身
軽さを最大限に生かす。今年のクリスマス商戦までには楽天を追い抜く」と、総合
商社の面子にかけて「打倒楽天」を掲げる。
キュリオシティは楽天市場よりも早い95年に総合モールとして開設。その後5年
間、ネットの世界では検索、書籍、音楽CD、自動車、玩具など専業ポータルが次々
と登場。しかし、キュリオシティは、これら専業ポータルの勢いに比べれば地味なも
のだった。
西澤社長は「専業ポータルは顧客に覚えられやすく、運営者側からすれば集客しや
すい利点がある。百貨店型の総合モールは特徴を出しにくく、意外に集客が難しい。
このことも独立法人化するタイミングが遅れた理由の一つ」と、総合モールで勝負
に出るか否かの見極めに時間がかかったと話す。
「棲み分け可能」−−アット・モール
一方、同じ総合モールの「アット・モール( http://www.atmall.ne.jp/ )」を運営
する朝日広告社は、「打倒楽天というよりも、楽天との棲み分けを図る。ネットの
熟練利用者(リテラシーの向上)が増えれば、楽天への一極集中も緩和され、分散す
る傾向に動くだろう」(東京メディア本部マルチメディア部・前田勉部長)と予測。
棲み分けの施策として、5月から女性に焦点を当てた総合モールに改装。従来の全
方位路線から大幅な変更を加える。陳列方法も商品別から顧客の行動様式別に変える。
例えば化粧品、食品、流行は「きれいを見つける」に分類、酒類や布団、茶碗などは
「安らぎを探す」、旅行、スポーツ、書籍などは「あらたにプラス」とし、いずれも
26-34歳の女性が好む商品の充実を図る。
楽天市場の店舗数約2,100店舗に対し、キュリオシティは今年度末(2001年3月期)に、
現在800店舗の出店社数を1万店に増やし、30億円の取扱高(売り上げは5億円)を目
指す。アット・モールは今年9月期までに現在の約60店舗から100店に増やし、女性
向けの品揃えを大幅に増やすことで楽天市場との差別化を図る。
物販総合モールを巡る争いは、体力がある大企業が勝つのか、先行者利益とブラン
ド力をもつ楽天市場が勝つのか。あるいは楽天市場との差別化を早くから打ち出し、
漁夫の利を得た者が勝つのか。今年の年末にも期待される、日本版「eクリスマス」
到来の日に勝負は決まりそうだ。